調停手続とは

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調停と裁判とはどこが違うのかというご質問をよくいただきます。
調停は裁判所に申請を行い、当事者同士の話し合いの場を設けて紛争の解決を図るためのものとなっています。
基本的に、いきなり訴訟を提起するということはなく、まずは調停を利用して話し合いを行い、どうしてもお互いが主張を譲らないといった場合に裁判に移行するといったイメージを持っていただければ大丈夫です。

当記事では、調停手続きについて詳しく解説をしています。

◆調停手続きとメリット
●民事調停とは
民事調停は、裁判外紛争解決制度(ADR)と呼ばれるものの一つです。
上記の通り、裁判所にて当事者双方の話し合いによって紛争の解決を図るためのものとなっています。

訴訟を提起しようと考えている方は、とにかく裁判による解決を望まれる方が非常に多くなっていますが、できることなら穏便に済ませたいといった方も少なくはありません。

民事調停では、譲歩や妥協によって、当事者双方が歩み寄る形をとって、解決を目指すための手続きとなっているため、相談を受けた弁護士もまずは調停によって解決をすることができないかと考えます。

●調停のメリット
民事調停のメリットはなんといってもスピーディーかつ低コストによる解決が見込める点にあります。

民事調停手続きは裁判所で行われるものの、費用自体は安く済むため、裁判に移行する前に調停によって解決をすることができれば、訴訟費用がかさむことはありません。
また、調停は解決までにかかる時間が短く、8割ほどのケースで3ヶ月以内に決着がつくことが多くなっています。

さらに手続き自体も非常に簡易であり、法律の知識があまりない方でも独力で進めることができます。また、調停委員と呼ばれる方達が仲介役となって進行するため、冷静な話し合いをすることができるというのもメリットの1つといえます。

◆民事調停の流れ
①民事調停の申し立て
民事調停の申し立ては簡単にすることができます。まずは相手方の住所を管轄する簡易裁判所に書面もしくは口頭で申立てを行います。

申立ての際には、調停申立書に必要事項を記入して裁判所の窓口に提出します。この調停申立書は裁判所にあり、簡単に交付をしてもらうことができます。

申立書には、当事者の氏名と住所、申立ての趣旨(調停によってどのような結果を求めているのか)、申立ての原因(法律上の根拠)、紛争の要因またはその実情を記載していきます。

この申立書を提出する段階で、何かしらの証拠資料がある場合には、一緒に提出をすることができ、調停員も事件の争点を把握しやすくなります。

②調停期日の決定、当事者双方の呼び出し
申立てが受理されると、調停委員が組織され、裁判所によって調停期日が決定されます。そして、相手方に調停申立書と副本とともに裁判所への出頭の呼び出しを行います。

この呼び出しに対して、理由なく欠席をした場合には5万円の科料に処されることとなっており、相手方が欠席するという心配は限りなく小さいといえるでしょう。

③調停の開始
第1回の期日までには、約1ヶ月程度の時間がかかります。民事裁判と同様に、調停内では話し合いを中心に証拠調べが行われます。

話し合いの結果、当事者双方が和解に合意すれば、裁判所によって「調停調書」が作成されます。この調停調書は判決と同様の効力があるため、相手が自身の請求に従わない場合であっても、差押えなどの強制執行の手段を用いることができます。

もし、相手と話し合いを何度か重ねても、和解案の合意に至らない場合には、調停不成立として手続きが終了し、そのまま通常訴訟に移行することができます。

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