和智大助法律事務所|福岡市、糸島市、春日市などの法律相談はお任せください。 > 相続 > 遺言書の検認手続きを怠った場合のペナルティとは
自宅で親の遺言書を見つけたものの、検認という手続きを知らずに放置している方もいるかもしれません。
自筆の遺言書には家庭裁判所での検認が必要とされており、怠った場合にはペナルティも定められています。
本記事では、遺言書の検認を怠った場合のペナルティと注意点を説明します。
自筆証書遺言や秘密証書遺言の保管者と発見した相続人には、民法1004条により家庭裁判所へ遺言書を提出して検認を請求する義務があります。
前提として、検認を怠ったとしても遺言書自体が無効になるわけではありません。
しかし、検認の義務を怠ると、次のような不利益が生じます。
遺言書の提出を怠った場合や、検認を経ないまま遺言を執行した場合には、民法1005条により5万円以下の過料の対象となります。
家庭裁判所以外の場所で封印のある遺言書を開封した場合も同様です。
過料は刑事罰ではなく行政上の制裁であるため前科はつきませんが、金銭的な負担が生じる点に注意が必要です。
検認を受けていない遺言書は、実務上、不動産の相続登記や預貯金の解約手続きに使用できません。
金融機関や法務局では、検認済証明書が付いた遺言書の提出を求められるのが一般的です。
2024年4月からは相続登記が義務化されており、手続きが滞ると10万円以下の過料につながるおそれもあります。
検認の手続きを進めるうえでは、制度の内容を正しく理解しておくことも大切です。
ここでは2つの注意点を紹介します。
公正証書遺言は、民法1004条2項により検認の対象から除かれています。
2020年7月に始まった法務局の保管制度を利用した自筆証書遺言についても、検認は不要とされています。
一方、自宅や貸金庫で保管されていた自筆証書遺言と秘密証書遺言には検認が必要なため、発見したら速やかに家庭裁判所へ申し立てましょう。
検認をしないまま遺言書を意図的に隠すと、民法891条5号の隠匿にあたり、相続人の資格を失うおそれがあります。
検認は遺言の有効性を判断する手続きではないものの、意図的に手続きを怠ると他の相続人から疑いの目を向けられかねません。
遺言書を見つけたら、開封せずそのままの状態で検認を申し立てることが重要です。
遺言書の検認を怠ると、5万円以下の過料や相続手続きの停滞といった不利益が生じます。
遺言書自体が無効になるわけではありませんが、放置するメリットはないといえるでしょう。
検認の申立てには、戸籍謄本の収集や家庭裁判所への申立書類などの準備も必要になります。
遺言書の検認でお困りの方は、和智大助法律事務所へお気軽にご相談ください。