和智大助法律事務所|福岡市、糸島市、春日市などの法律相談はお任せください。 > 家事 > 成年後見人に家族が選任された場合のよくあるトラブルと対策
親の成年後見人に家族が選任されると、身近な立場で本人を支えられる一方、思わぬトラブルも起こりがちです。
成年後見人には、家庭裁判所の監督のもとで本人の財産を管理する重い責任があります。
本記事では、家族が成年後見人になった場合のよくあるトラブルと対策を紹介します。
家族が成年後見人を務めるケースでは、制度への理解不足から問題に発展する例が少なくありません。
代表的なトラブルを2つ紹介します。
成年後見人が管理する財産は本人のものであり、家族のためであっても本人の利益にならない支出は認められません。
本人の口座と自分の生活費の区別があいまいになると、他の親族から使い込みを疑われて対立に発展しがちです。
実際に流用してしまうと家族であっても業務上横領罪に問われるおそれがあり、最高裁の判例でも親族間の処罰を免除する規定は適用されないと判断されています。
成年後見人には、財産目録や収支の状況を定期的に家庭裁判所へ報告する義務があります。
慣れない書類作成が日々の介護と重なり、報告が滞ってしまう家族は少なくありません。
報告を怠ると裁判所からの信頼を失い、後見人を解任されて弁護士のような専門職に交代させられる可能性もあります。
こうしたトラブルの多くは、日頃の管理方法の工夫で防げます。
次の2つの対策を意識しましょう。
本人名義の口座と後見人自身の口座を明確に分け、本人の財産を家計に充てない運用を徹底することが基本です。
支出の際は領収書やレシートを保管し、何のための支出かを帳簿に記録しておきます。
記録が整っていれば、裁判所への報告も他の親族への説明もスムーズに進むでしょう。
まとまった金銭を信託銀行に預け、日常的に使う分だけを手元で管理する後見制度支援信託という仕組みがあります。
払い戻しには家庭裁判所の指示書が必要になるため、使い込みを疑われるリスクを減らせる点が特徴です。
報告書の作成や本人の財産をめぐる親族間の調整に不安があるときは、早めに弁護士へ相談すると安心につながります。
家族が成年後見人に選任された場合、財産の混同や報告の遅れがトラブルの火種になりやすいといえます。
本人の財産を分けて管理し、記録と報告を欠かさないことが対策の基本です。
それでも親族間の対立や手続きの負担が解消しないケースは珍しくありません。
成年後見人の職務にお悩みの方は、和智大助法律事務所へお気軽にご相談ください。