別居中の婚姻費用の支払いを拒否された場合の対処法

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別居中の配偶者に生活費を求めても、支払いを拒否されて困っている方は少なくありません。
夫婦には民法760条に基づき、収入に応じて婚姻費用を分担する義務があります。
本記事では、婚姻費用の支払いを拒否された場合の対処法と、請求する際の注意点を紹介します。

婚姻費用の支払い拒否への法的な対処法

支払いを拒否された場合でも、法的な手続きを踏めば婚姻費用を受け取れる可能性があります。
ここでは、代表的な2つの手続きを紹介します。

婚姻費用分担請求調停を申し立てる

話し合いで解決できないときは、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てる方法が有効です。
調停では、裁判所が公表する算定表を参考に、双方の収入や子どもの人数に応じた婚姻費用の額を話し合います。
調停が成立しなければ手続きは自動的に審判へ移行し、裁判官が具体的な支払額を決定します。

履行勧告・履行命令や強制執行を利用する

調停や審判で決まった婚姻費用が支払われない場合には、家庭裁判所に履行勧告や履行命令を申し出る方法があります。
それでも相手が支払いに応じないときは、調停調書や審判書を債務名義として強制執行を申し立てることが可能です。
婚姻費用のような扶養に関わる債権については、相手の給与の2分の1まで差し押さえられるため、一般の債権より回収しやすいといえます。

婚姻費用を請求する際の注意点

婚姻費用の請求には、時期や制度に関する重要なポイントがあります。
損をしないために、次の2点を押さえておきましょう。

請求できるのは原則として請求した時点以降の分

婚姻費用は、別居した時点まで自動的にさかのぼって請求できるわけではありません。
実務では、内容証明郵便の送付や調停の申立てにより請求の意思を明確に示した時点からの分が対象とされるのが原則です。
過去の未払い分は離婚時の財産分与で考慮されることもありますが、拒否されたらできるだけ早く請求の手続きに動くことが大切です。

2026年4月からは先取特権による差押えも可能

2026年4月1日に施行された改正民法により、婚姻費用のうち子どもの監護に要する費用に相当する部分に先取特権が認められました。
夫婦間で作成した合意文書があれば、調停や審判を経ていなくても、子ども1人あたり月8万円を上限に相手の財産を差し押さえることが可能です。
新しい制度で要件の判断が難しい面もあるため、活用を検討する際は弁護士への相談が望まれます。

まとめ

別居中に婚姻費用の支払いを拒否されたときは、調停や審判、強制執行といった法的手続きで解決を図ることが可能です。
2026年4月からは先取特権の制度も加わり、回収の手段は広がっています。
もっとも、適切な金額の算定や手続きの選択には専門的な判断が欠かせません。
婚姻費用の支払い拒否にお悩みの方は、和智大助法律事務所へお気軽にご相談ください。